本文へスキップ

東京創研はマクロ分析・マーケティングリサーチに基づく未来予測・市場分析を専門に20年の実績で業界をリードするコンサルティング企業です。

TEL. 03-5250-9271

〒104-0061 東京都中央区銀座1-24-1

コラムRECRUIT


 
代表取締役 清水 克彦
2018年12月10日(木)
「未来予測」の手法 最新動向 その4 未来予測データについて

(続き)

 未来に、確定したことは、何ひとつありません。未来予測に関するデータや事象表現は、すべてそうなる可能性があるというのが正しい見方です。

 つまり、未来予測を使うには確度の評価が、必須の認識作業になります。これが、過去に起こったこと、つまり確定していることと未来に起こることの基本的な違いです。
 未来予測データの確度は、一様ではありません。かなり予測精度の高いものから、そうなるかもしれないといった、確度の低いものまで、様々あります。一般に、現在に近いほど確度は高く、未来に遠ざかるほど確度は低下します。また、データやトレンドの種類によって、確度には差があります。政治・経済・ユーザーの振る舞いなどは、現在の技術では予測できる範囲は限られています。3年後の景気の状況や、2年後の選挙でどの政党が勝つかなどは、どんな専門家でも確度の高い予測はできません。同じように「こんな社会環境が生まれる」という予測も断言できるほど確度の高いジャンルは、少ないのです。
 ここで申し上げたいのは、確度の高さと予測の精度の限界(鮮明さ)を織り込んで認識することが重要だということです。これは、確定した事実を積み上げる手法とは異なります。
 未来予測に関して、様々な資料や本が溢れていますが、確度のフィルターをキチンとかけているものは、ほとんどありません。弊社が刊行している「未来予測」は、10年先を予測しています。この資料は、ある程度、確度の高いデータを網羅したツクリになっています。確度の高いデータは、未来の洞察や未来像の確からしさの評価の指標になります。
例えば、キザシ情報は大量に生み出されますが、3年後まで生き残るキザシはわずかです。
 キザシを沢山集めて、それを全部、鵜呑みにして未来は語れません。キザシの中から一過性でない情報を評価しなければ、うまく使えません。
 同じように技術でも評価が必要です。技術は、進化し続けるので、一方向ともいえます。ある意味では予測しやすいのですが、それは、技術的に可能になるということで、社会が受容することとは違います。社会実装されるかどうかは、マクロトレンドやコスト、本質的ニーズに左右されます。生み出された技術が、「魔の川」「死の谷」「ダーウィンの海」に晒されることは、よく知られています。社会実装される技術は、そう多くはないのです。
 未来予測でそれがわかるかと言われれば、一部はわかる、あるいは、有望性は少しわかる。さらに、無理筋はわかる、といった程度です。それでもカンに頼るよりは、かなり有用です。
 未来予測で有効なのは、大きな潮流です。弊社のHPに掲載している「インパクトトレンド」は、確度の高いデータに基づいて抽出しています。つまり、ほぼ確実に起こります。これらに整合するかどうかは、事業を評価するうえで、指標のひとつになるといえるでしょう。

 
代表取締役 清水 克彦
2018年11月15日(木)
「未来予測」の手法 最新動向 その3 画期的イノベーションと未来予測

(続き) 

 現在、多くの企業がイノベーションに取り組んでいます。社員のなかから選抜してアイデアを出させるなど様々な工夫がなされています。そうした試行錯誤のなかで、わかってきたことがあります。

 まず、イノベーションを起こせるような人材(イノベーション人材)は、特殊な潜在能力を持った限られた人だということです。誰もがイノベーションを起こせるような才能を持っているわけではないのです。これはスポーツ選手の才能と同じです。
 次に、重要なことは、イノベーションの能力を持っている人でも、訓練・知識が必要だということです。スポーツ選手でも訓練や技術の習得を行わなければ、充分な活躍は期待できません。
 イノベーションを企画するためのリテラシーを磨くことが必要だということです。一流の才能を持ったスポーツ選手でも、様々な基礎的訓練が必要なように、イノベーション人材も基礎的な知識が必要です。イノベーション人材で必要とする基礎知識は、社会の本質的な構造や未来の事業環境に関することなどです。
 画期的なイノベーションといえども、社会の需要に合致しなければ、ドン・キホーテになってしまいます。さらに、誰もが知っている将来需要は妙味がなく、まだ多くの人が気づいていない将来需要を見出すことが、イノベーション人材に課せられています。逆説的にいうと、将来の需要を的確に見通すこともイノベーション人材の才能要件のひとつともいえます。また、何を材料(技術、社会機能など)に事業のデザインをするかというとき、(事業に)使える材料についての知識がなければ、使いこなせないでしょう。これには、材料の工夫も含まれます。この時、参考にすべき基礎知識が未来予測に関するデータなのです。
 一方、イノベーション人材のアイデアを評価する側も訓練が必要です。優れたアイデアや事業企画も評価できなければ、いくら沢山のアイデアを出しても無駄になってしまいます。既存の事業で成功した上級職の方々のなかには、それまでの経験で得られた方程式を当てはめて、評価を下す方も少なくありません。
 結果として、玉石とも捨てられ、権威者や多数決が評価したアイデアに落ち着いてしまうことになるか、良いアイデアが出ないと嘆くことになります。また、アイデアを評価するのではなく、誰が考えたかという人材の評価でアイデアの評価を下すことになります。
 つまり、イノベーションの推進の決定権を持つ評価者の未来に関するリテラシーも、企業にとっては重要なのです。
 イノベーションを起こすための技術には、定型化された教科書はありません。しかし、「思い付き」や「感覚」だけに頼る時代も過ぎています。企業のイノベーション競争は激しくなり、「イノベーション」を冠する名称の組織を発足させる企業も増加しています。イノベーションの手法も様々に考案されていますが、ほとんどが発想法や推進の枠組みにとどまっています。

 こうしたなかで、現在、確実に言えることのひとつは、未来の需要に関する基礎的なリテラシーを高めることが重要であり、リテラシーの形成には、従来のデータの読み方とは違った認識が必要だということです。
 未来の需要に関するリテラシーを高めるには、様々な知識を必要としますが、その知識は、過去のほぼ確定した知識とは異なったものです。これについては、次回のコラムで説明します。

(続く)

 
代表取締役 清水 克彦
2018年10月30日(火)
「未来予測」の手法 最新動向 その2

(続き)

 画期的なイノベーションは、どのようにマーケティングすればいいのでしょうか。そもそも、画期的なイノベーションをマーケティングする方法はあるのでしょうか。 

 弊社が参加する研究・イノベーション学会でもよく話題になるテーマです。顧客分析・現状分析をベースにしたマーケティングは、着実に進歩しています。将来は、ビッグデータ、AIの活用で、さらに精緻に低コストでマーケティングデータが得られるようになると予想されます。こうしたマーケティングは、ビジネス上、大きな効果を発揮しています。
 しかし、これらの手法は、画期的なイノベーションのマーケティングには通用しません。何故かといえば、顧客分析・現状分析(従来型マーケティング)は、現在の条件(外部環境)での課題や要望を分析していて、将来の場の変化(外部環境の変化)を織り込めないからです。顧客の課題・要望は、場の変化によって、その意向が変化してしまうのです。この辺の詳しい説明は省きますが、従来型のマーケティングには限界があります(未来予測2018/2028の本文で説明しています)。
 画期的なイノベーションが生まれない要因は、知らず知らずに従来型のマーケティングに依存しすぎているともいえます。それに代わる手法がないことも要因です。
 翻って、現在から10年後にかけて、画期的なイノベーションは起きやすい環境になっていると予測されます。技術の進歩が速まり、ビジネス革新の手段が拡張されることになるからです。とりわけ、弊社がインパクトトレンド(社会をかえる影響力の大きい)のNo.1に挙げているAIネットワークの社会実装が進むことで革新の手段は拡張します。
 AIネットワークは、簡単に言えば、人の業務を自動化します。つまり従来の業務のプロセスを替える余地を生み出します。「AIによってなくなる職業」が話題になりましたが、職業がなくなる前に、業務のプロセスが変わるのです。
 業務のプロセスが変わるということは、画期的なイノベーションが起こることと重なります。単に人が行っていた業務を代替するだけでなく、業務のフローが変更されることにつながります。
 先走った言い方をすれば、「カイゼン」は自動化され、「プロセスデザイン」が焦点になっていくと予想されます。

(続く)

 
代表取締役 清水 克彦
2018年10月19日(金)
「未来予測」の手法 最新動向 その1

 東京創研が未来予測に取り組んで20年あまり経っています。その間、未来予測の手法や考え方も徐々に進歩しました。弊社の未来予測の発刊(隔年)ごとにそれらを解説してきましたが、未来予測の手法についての最新の論点について説明しましょう。
未来予測の範囲には、人口やCO2濃度、資源など、自然科学に近いような避けがたい未来がある一方、政策や技術革新など人為的に変えることができる未来も併存します。未来予測は未来社会の予測なので、この人為的に変えられる部分が、少なくない領域を占めていて、企業各位の関心も、むしろそちらにあるといえるでしょう。
人為的に変えられると言いましたが、ここでいう人為的とは、個人や一企業が変えられるというレベルではありません。ごくまれにそういうこともありますが、ほとんどの場合、様々な因子が作用する社会構造の大きな動きの中で変化は形成されていきます。
こうした未来の変化をどのように予測するかが基本課題になりますが、残念ながら未来を正確に予測することはできません。「未来は確定したものは何もなく、確率でしか表せない」のです。つまり、予測の拠り所としているデータやロジックの確からしさはどの程度かが重要になります。
社会の変化の方向性の確度を上げる方法のひとつは、「引いて捉える」ことです。「引いて捉える」とは、巨視的・俯瞰的にとらえることです。引いて捉えると、尺度は粗くなりますが、方向感の確度はあがります。確度の高い方向感は、細部の予測の上位に位置します。大きな潮流、歴史的な動き、強いロジックに裏打ちされた転換などが「引いて捉える」になります。
方向感を見出すとき、重要なのは、それぞれのトレンドに変化の特徴があることです。例えば、技術のように後戻りしない変化や経済変動など循環的な動きをする変化、短期間に一気に起こる変化などです。どのトレンドがどのような変化の特徴を持っているかは、あらかじめ掴んでおく必要があります。実践的には、様々なトレンドが複合し、影響しあって様々な新しいトレンドを生み出します。
一方、企業にとっては、未来予測をどう活かすかということも極めて重要な視点です。未来予測は、外部環境の将来変化を表しますので、経営戦略(事業戦略)の基本ともいえます。将来の外部環境を読み違っていたら、どんなに優れた戦略も機能しません。しかし、未来予測は、企業の望むような鮮明な未来を提示できるほど進歩していません。また、社会全体の動きを予測していることが多いので、自社への影響を改めて解釈しなおさなければなりません。一時、かなり鮮明な未来像を絵や図解で示すことが流行りました。しかし、これは、注意が必要です。プレゼン用には、いいのですが、これはあくまで仮説を積み上げた考え方のひとつであって、必ずしも強い根拠があるとは限りません。
結論からいえば、経営戦略に使える予測は、充分な角度が確認された方向感だけとも言えます。未来予測で確度が高いものは、かなりありますが、経営戦略に直接使えるデータは限られています。これらのデータから、確度の高い方向性を見出し、経営戦略に使っていくしかないのが現状です。それでも、いち早く確信の持てる方向感を持つことは、戦略上の大きなアドバンテージといえます。

 図は、AIネットワークが大きなトレンド(方向感)になることを論拠立てるためのひとつとして、弊社が3年前に作成し、前回の未来予測にも掲載したものです。ポイントは、筋力を代替した工業化社会から、脳神経系を代替する情報化社会になり、AIネットワークによって、情報化社会が後期に入り、頭脳系の代替の時代に進むことを示しています。尚、AIネットワークは、単独のAIではなくて、様々なタイプの(弱い)AIが連携し、IoTなどの進展によって、社会システムに組み込まれていくことをイメージしています。
 AIネットワークの社会実装が、極めて大きなインパクトをもたらすこと、当然、企業の事業体制にも大きな影響をもたらすことを示しています。
 未来に起こる変化のうち、企業にとって、インパクトの大きい変化(影響力の大きい=経営を揺さぶるような)は何かをいち早く、データやロジックで示すことが「未来予測」を行う目的のひとつといえるのではないでしょうか(今回の未来予測はマクロトレンドの解釈に紙面を割いたのも改善点のひとつとなっています)。
未来予測は占いではありません。根拠が希薄な予測を感覚的な見通しとして提示していくことには抵抗があります。一般にはあまり認知されていないが、確度の高いマクロトレンドは、帰結的に、こういう方向を示している。というのが、未来予測の王道ではないでしょうか。

(続く)
※未来予測2018/2028の発刊を記念して、しばらく未来予測の手法に関連するコラムを連載します。

  
代表取締役 清水 克彦
2018年10月4日(木)
「未来予測2018/2028」を発刊しました。
 社会の変化のスピードは、領域によって一様ではありませんが、全体的に見ると、過去に比べ次第に速くなっています。今後の10年間にはさらに加速すると予想されます。
 企業におけるビジネスの視点から見ても、開発のスピード、社会実装のスピード、投資のスピードなどが速まり、ビジネス環境は短期間に大きく変化するようになっています。
 中国の急成長やスマホの普及、GAFAの急成長なども、以前の経済・産業の歴史と比べれば極めて短期間で起こっています。
 変化が加速する時代には、中長期の視点をしっかりと持たないと、大通りを進んでいたつもりが、脇道を疾走していたということになりかねません。
 今回の「未来予測2018/2028」は、未来社会の変化で企業にとってインパクトの大きいマクロトレンドは何かという視点を重視し、編集しました。社会の変化に影響するデータを網羅的に収集・整理するとともに、インパクトの大きいマクロトレンドに関連するデータに厚みを持たせました。その結果、ページ数が多くなり、前回比で145ページの大幅増ページとなりました。
 また、新しい試みとして、基本的なトレンドが及ぼす影響の整理やインパクトトレンドの深掘検討、あるいは、遠未来(50〜100年先)の未来の思考実験的な予測などを参考として収載しました。
 過去に衰退した企業・業態の多くは時代の構造的な変化を読み誤り、変化に適応した事業構造を構築できなかったことによるといえます。
 未来を予測することは、簡単ではありませんが、大きな方向性を見通すことはできるようになってきています。本資料が企業様の事業戦略の一助となれば幸いです。

代表取締役 清水 克彦
2017年8月1日(火)
「未来予測」手法をベースとした新しいマーケティング調査のご案内
 事業環境変化の不確実性が増したといわれるなか、「未来予測」を事業戦略に取込もうという企業様が増えています。専門部署を設けた企業様も少なくありません。企業が将来を考えることは、自然なことで、逆に言えば将来を考えない企業はありません。取組みが活発化しているのは、未来予測の優劣が企業業績を左右する可能性があるという認識が強まっているためともいえます。
 「未来予測」に取組むということは、よりハッキリと未来を見ようということと同時に、どうやって自社の将来に役立つように使うかを考えようということです。少し前までは、前者に力点を置く企業様が多くみられましたが、現在では、後者の検討が進んでいるように思われます。
 未来予測の様々な予測結果は、企業様によってインパクトが異なります。業種・業態で異なるのは、よく知られていますが、実践的には、メガトレンドと言われる誰もが認識する予測結果の中心を行くのか、つまり、真っ向から大競争に打って出るのか、そんなところは勝てないので、ニッチなブルーオーシャンを独自に探すことを重視するのかでも見方は大きく違ってきます。
 弊社の受注の傾向をみても、未来予測を特定の産業向けにカスタマイズするご依頼から、未来予測をダイレクトにビジネスチャンスに結び付けるお手伝いに、徐々に移ってきています。また、考え方の起点を未来のニーズ・デマンドに置いて、事業アイデアのナビゲートマップとする方法(弊社ではデマンドマッピング法と呼んでいる)などが最新の未来予測活用法になっています。

代表取締役 清水 克彦
2016年9月21日(水)
未来予測の活用法(3)
―何故、東京創研の「未来予測2016/2026」がお勧めなのか?−

(続き)

 検討の手法は、様々ですが、最終的には選抜されたプロジェクトのメンバーが議論して検討することになります。外部のコンサルに発注する場合もPJのメンバーが報告内容を評価できなければ、なりません。
 このとき、集まったPJメンバーは、それぞれの未来感を持っています。特に、自分の専門分野では、豊富な知識を持っているのが普通です。しかし、専門外では、かなり曖昧な知識しか持っていません。この結果、議論の多くは、マクロトレンドデータを見れば、すぐに決着がついてしまうような、極めてベーシックなところのすり合わせに時間が割かれてしまいます(このことは、未来予測のデータに確度の高いものと、かもしれない未来が混在していることも要因の一つになっています)。

 未来の事象は、多くの要素が影響しあっています。特に、どんな事業でも最終的に大きな影響を及ぼすのは、需要の変化であり、需要の変化の論理は、多くの要素によって構成されています。つまり、需要の変化は重要な論点であり、検討する事業領域における需要を、幅広いトレンドから洞察する必要がありますが、その時のメンバー毎の認識に大きなバラツキがでてしまうのです(未来予測データに精通したメンバーをPJに加えておくのもひとつの方策です)。

 未来予測・洞察のPJメンバーには、未来データをある程度インプットしていないと充実した議論はできません。ここでいう確度の高いデータは、概ね数値で示され、しっかりした根拠のあるマクロトレンドの数値です。
 
 次に、未来予測・洞察を行う上で、注意すべきは、識者や専門家の見解を鵜呑みにしてはいけないということです。こうした未来予測の多くは、必ずしも当たりません。また、誰もが予測する未来は、すでに現実となっていて、レッドオーシャン化すると予測されます。企業の戦略は、「冷徹な計算」に裏打ちされていなければなりません。誰もが予測する未来は、その半歩先まで読まなければなりませんし、自社が、そこで生まれるビジネスチャンスで競争に勝てるかどうかを評価しなければなりません。

 弊社の「未来予測」は、こうした議論のベースとして活用していただくことを目的としています。豊富な数値の掲載で、検討の土台を形成することと、着目すべき変化の基礎的なポイント・論理を示しています。数値や論理は、重要です。例えば定性的な方向感は、コンセプトで語ると、PJメンバーの受け止め方によって、同床異夢の状態になりがちです。 
 例えば、「地方は衰退する」というと、あたかも地方が消滅してしまうかのように議論するケースが見られます。実際には、衰退しますが、消滅はしません。そして、地方衰退に関する数値的なデータは、かなりの確度で認識できます。これを踏まえた議論が現実的です。

 新しいトレンドコンセプトも、多くはプロパガンダの側面があります。一方では、変化が大きく、早くなっていて、ビジネスに使える手法も革新(拡張)されています。技術の革新が速まっているのも言うまでもありません。これらを冷徹に評価する必要があるのです。また、未来は、確定しているわけではありません。自社・あるいは他社が未来を変える可能性もありえます。
 
 弊社の未来予測は、必ずしも直接、事業戦略に結び付く訳ではありませんが、自社の未来を見据えた戦略立案の議論の土台として用いる資料として有用と考えています。
代表取締役 清水 克彦
2016年9月21日(水)
未来予測の活用法(2)
―何故、東京創研の「未来予測2016/2026」がお勧めなのか?−

(続き)

 こうした、未来予測・未来洞察は、企業ごとに独自に行われます。何故なら、未来に起こる様々な事象は、それぞれの企業の事業内容によって重要度が違うからです。自動運転の例でいえば、自動車部品メーカーの主力の部品によって、影響度や重要度は異なってきます。企業によって深堀する領域が異なるのです。未来予測資料の多くは、全体の動きを示しています。これは、業界に絞り込んだ未来予測でも同様です。業界全体の動きを捉えていて自社の事業内容にマッチするわけではありません。

 また、戦略立案との密接な関係から、同じ業種・事業内容にあっても着目するトレンドは異なってきます。周知の有望分野に真っ向から挑戦するのか?ニッチなユーザーを見出すのか?ビジネスモデルで勝負するのか?などで影響要因やその重要度は異なってきます。
 つまり、未来予測・未来洞察は、企業ごとに英知を集結して行うべきなのです。経営戦略の手法における最後の大きな課題といってもいいと思います。


 このことは、自社事業のコアビジネスの将来を検討する際も、次世代の核となる新規事業を検討する際も(この場合、研究所から見れば、将来を見据えた重点化すべき技術テーマ・領域)同様です。


 それでは、自社で未来予測・洞察を行うとき、どのような方法がとられるのでしょうか


(続く)

代表取締役 清水 克彦
2016年9月16日(金)
未来予測の活用法(1)
 ―何故、東京創研の「未来予測2016/2026」がお勧めなのか?−

 未来予測・未来洞察は、参考(教養)としてやっておく段階から、経営戦略・事業戦略に論理的に活かす段階に入っています。
 未来に対して確度高く起こると予想されることだけではなく、起こりそうなことも、その確度に応じて戦略に組み込んでいくというような検討が進んでいます。
 未来予測は、過去・現在を詳細に分析して、未来に外挿するやり方から、不確実な未来の方向性もバランスよく取り込んで経営や事業の戦略性を高める方向に進化しています。つまり、明確なことだけを積み上げるやり方から、だいたいこうなるという洞察も含めた考え方を加えた手法が盛んになってきているということです。

 簡単に言えば、確実に起こるだろうという誰もが予測している変化に対応するだけでは、「たぶんこうなるだろう」を、うまくマネジメントした企業に負けてしまうのです。例えば、「たぶんこうなるだろう」を使うのは、戦略的な重要度が高い場合です。確度は低くても起こったら重大な影響がある事柄(チャンスや脅威)について、それ程の投資は必要としないとすれば、チャレンジされます。

 未来予測・未来洞察は、戦略立案と密接な関係にあります。未来がどうなるかをどのように認識しているかは、戦略の立案内容に大きな影響を及ぼします。例えば、自動運転がいつ頃、どんな形で社会実装されるかを予測することは、自動車関連メーカーの長期的な戦略を左右します。

 ここでいう社会実装は、技術的に可能になるということではありません。法整備がなされ、サービス体制がつくられて、量産化され(生産コストが下がり)、一般的なユーザーに受容されることをいいます。
 社会実装の態様を洞察するためには、多くの影響因子を評価し、確度を高める必要があります。そして、洞察した予測の確度と重要度に応じた戦略が立案されることになります。
 未来洞察で、すべての事柄(様々な個別事業の変容)を詳細に映し出すには、膨大な労力を必要とします。未来洞察は、業種や戦略の方向性によって、焦点を絞って深堀されます。この場合、技術予測だけでは十分ではないことは、過去に起こったことを例示するまでもありません。


(続く)
代表取締役 清水 克彦
2016年5月31日(火)
未来予測2016/2026を発刊しました。(続き)

 例えば、「AIネットワーク」というトレンドキーワードがあります。弊社ではAIネットワークの重要性を2年前からロジカルに予測しています(残念ながら未来予測2013の時点では予測できませんでした。2014年の受託作業の深堀した検討でAIネットワークのインパクトの大きさが整理できました。HP上では2015年の年初から公表しています)。
 今ではAIブームが起こっていて、国家予算も格段に増え、各種の資料も盛んに作られています。では、何故AIのインパクトが大きいと予測できたのかといえば、社会の変化の幅広いトレンドを網羅的に評価し、重要度が高いと目されたトレンドを深堀する(本質的な意味を探る)検討を行ったことによります。

 「AIの重要性を予測したのは、東京創研だけではないよ。誰でも思いつくことだよ」という突っ込みを入れられそうですが、東京創研が予測しているのは「AI」ではなく、「AIネットワーク」というところに注目してください。AIの解説は盛んに行われていますが、インパクトが大きいのは、AIを組み込んだネットワーク型の社会実装なのです。具体的なイメージのいくつかは「未来予測2016/2026」にも例示していますが、企業の将来にとっては、AIネットワークでゲームチェンジが起こるかどうかが重要になります。単なるAIの導入は、分析ツールが高度化するにすぎません(それでも少なくないインパクトはありますが)。

 この辺のことは、未来予測2016/2026の冒頭の文章に書いていますので引用させていただきます。

〜以下、未来予測2016/2026より引用〜

ゲームチェンジはここから始まる

 近年、不振に陥った日本企業で、個別の技術に後れをとったことが要因であった例は、ほとんどみられない。逆に、ゲームチェンジ(競争条件の変化)に対応できなかったため、業績を悪化させた企業は少なくない。ゲームチェンジは、不連続に起こるといわれるが、本当だろうか。過去に起こったゲームチェンジは、現在からみれば、簡単に説明がついてしまう。ゲームチェンジが起こるメカニズムや実現度・インパクトの評価に課題があるともいえる。

 今後の10年で社会に最も大きなインパクトを与えるのはAIネットワークの社会実装である。しかし、単純にAIネットワークが普及しただけでは、大したインパクトはない。かつてのインターネット・PC・スマホの実装のように、多くの企業は、働き方や事業スタイルを変えるだけに留まる。企業の浮沈を左右するようなインパクトは、グローバリズムや欲求の高度化などのマクロトレンドにAIネットワークが結び付いてゲームチェンジが起こることによる。AIネットワークのインパクトは、インターネットの実装より大きいと予想されるが、AIは手段の拡張であって、重要なのはどのようなゲームチェンジが起こるか、または、起こせるかである。

 未来は、多くの因子が相互に作用しながら形成される。様々なトレンドが複合してゲームチェンジを生み出す。自動運転を例にとれば、技術的な課題が大きな論点だったステージは終わり、社会実装の方法やプロセスをどうするかに論点は移っている。社会実装の方法やプロセスは、マクロトレンドに大きな影響を受ける。高齢化・安全安心・産業政策・安全保障・環境・都市問題などの影響度の大きさが需要の論理の背景として作用し、ゲームチェンジの起こる方向性を左右する。また、日本の医療システムは、高齢化による負担増と健康志向による高度化要求があり、AIネットワークによるゲームチェンジが胎動している。勿論、業種によっては、AIネットワーク以外の技術やトレンドから、ゲームチェンジが起こるケースも予測されることはいうまでもない。

 未来予測データ、マクロトレンドデータは、重要性の認識が広まっていながら、企業活動からは「遠い」とされ、実際には、うまく使えていない。本書では、未来予測を企業活動に取り入れていくための方法を解説し、公益財団法人未来工学研究所(世界シンクタンクランキング科学技術部門第5位)やマクロトレンド研究に関する有識者の知見を交え、主要なトレンドの網羅的な整理、マクロトレンドの抽出や統合化、ゲームチェンジの起源やシナリオを探るものとしている。

代表取締役 清水 克彦
2016年4月28日(木)
未来予測2016/2026を発刊しました。

「未来予測2016/2026」を刊行しました。今回の未来予測は、公益財団法人 未来工学研究所に監修をお願いしました。同研究所は技術予測や研究評価などを通じて、日本の科学技術政策や研究・イノベーション学会にも様々なかたちで関わっています。

 「東京創研の未来予測は他社とどこが違うの?」と良く聞かれます。弊社の未来予測は、広範なデータや市場予測データなどが充実していることに特長がありますが、何より、未来予測に新しい分析の考え方を加えていることが他社と異なります。
 未来予測の手法は、従来からあり、市場予測などでよく使われるトレンド外挿法などに加えて、近年では専門家の集合知型や予兆分析などを用いることが主流となっていますが、これらの手法は現在の専門家の考え方や流行、あるいは過去から現在までの流れに左右されてしまうという弱点があります。従がって、不連続な変化はうまく説明できませんし、全く新しいトレンドにおけるインパクトの大きさをうまく説明できません。
 未来は過去にはなかった要素が加わり、広範な因子が作用して形成されるのです。こうしたなかで未来を見通すには、未来に適用できる客観性のあるロジックを見出す必要があります。本書の未来予測の分析の考え方もベストとは言えません。まだまだ向上させる余地が充分あると思います。
 しかし、未来工学研究所や編集委員の皆様との議論を通じて、徐々に確度の高い予測手法や企業戦略に使えるような方法を開発しています。こうした考え方が他社との違いともいえます。

(続く)

バナースペース

株式会社東京創研

〒104-0061
東京都中央区銀座1-24-1
銀一パークビル6階

TEL 03-5250-9271