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2018年12月10日
「未来予測」の手法 最新動向 その4 未来予測データについて

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 代表取締役 清水 克彦
 2018年12月10日
 「未来予測」の手法 最新動向 その4 未来予測データについて
 (続き)

 未来に、確定したことは、何ひとつありません。未来予測に関するデータや事象表現は、すべてそうなる可能性があるというのが正しい見方です。
 つまり、未来予測を使うには確度の評価が、必須の認識作業になります。これが、過去に起こったこと、つまり確定していることと未来に起こることの基本的な違いです。

 未来予測データの確度は、一様ではありません。かなり予測精度の高いものから、そうなるかもしれないといった、確度の低いものまで、様々あります。一般に、現在に近いほど確度は高く、未来に遠ざかるほど確度は低下します。また、データやトレンドの種類によって、確度には差があります。政治・経済・ユーザーの振る舞いなどは、現在の技術では予測できる範囲は限られています。3年後の景気の状況や、2年後の選挙でどの政党が勝つかなどは、どんな専門家でも確度の高い予測はできません。同じように「こんな社会環境が生まれる」という予測も断言できるほど確度の高いジャンルは、少ないのです。

 ここで申し上げたいのは、確度の高さと予測の精度の限界(鮮明さ)を織り込んで認識することが重要だということです。これは、確定した事実を積み上げる手法とは異なります。
 未来予測に関して、様々な資料や本が溢れていますが、確度のフィルターをキチンとかけているものは、ほとんどありません。弊社が刊行している「未来予測」は、10年先を予測しています。この資料は、ある程度、確度の高いデータを網羅したツクリになっています。確度の高いデータは、未来の洞察や未来像の確からしさの評価の指標になります。

 例えば、キザシ情報は大量に生み出されますが、3年後まで生き残るキザシはわずかです。
 キザシを沢山集めて、それを全部、鵜呑みにして未来は語れません。キザシの中から一過性でない情報を評価しなければ、うまく使えません。

 同じように技術でも評価が必要です。技術は、進化し続けるので、一方向ともいえます。ある意味では予測しやすいのですが、それは、技術的に可能になるということで、社会が受容することとは違います。社会実装されるかどうかは、マクロトレンドやコスト、本質的ニーズに左右されます。生み出された技術が、「魔の川」「死の谷」「ダーウィンの海」に晒されることは、よく知られています。社会実装される技術は、そう多くはないのです。

 未来予測でそれがわかるかと言われれば、一部はわかる、あるいは、有望性は少しわかる。さらに、無理筋はわかる、といった程度です。それでもカンに頼るよりは、かなり有用です。
 未来予測で有効なのは、大きな潮流です。弊社のHPに掲載している「インパクトトレンド」は、確度の高いデータに基づいて抽出しています。つまり、ほぼ確実に起こります。これらに整合するかどうかは、事業を評価するうえで、指標のひとつになるといえるでしょう。

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