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2018年11月15日
「未来予測」の手法 最新動向その3 画期的イノベーションと未来予測

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 代表取締役 清水 克彦
 2018年11月15日
 「未来予測」の手法 最新動向 その3 画期的イノベーションと未来予測
(続き) 

 現在、多くの企業がイノベーションに取り組んでいます。社員のなかから選抜してアイデアを出させるなど様々な工夫がなされています。そうした試行錯誤のなかで、わかってきたことがあります。

 まず、イノベーションを起こせるような人材(イノベーション人材)は、特殊な潜在能力を持った限られた人だということです。誰もがイノベーションを起こせるような才能を持っているわけではないのです。これはスポーツ選手の才能と同じです。
 次に、重要なことは、イノベーションの能力を持っている人でも、訓練・知識が必要だということです。スポーツ選手でも訓練や技術の習得を行わなければ、充分な活躍は期待できません。
 イノベーションを企画するためのリテラシーを磨くことが必要だということです。一流の才能を持ったスポーツ選手でも、様々な基礎的訓練が必要なように、イノベーション人材も基礎的な知識が必要です。イノベーション人材で必要とする基礎知識は、社会の本質的な構造や未来の事業環境に関することなどです。

 画期的なイノベーションといえども、社会の需要に合致しなければ、ドン・キホーテになってしまいます。さらに、誰もが知っている将来需要は妙味がなく、まだ多くの人が気づいていない将来需要を見出すことが、イノベーション人材に課せられています。逆説的にいうと、将来の需要を的確に見通すこともイノベーション人材の才能要件のひとつともいえます。また、何を材料(技術、社会機能など)に事業のデザインをするかというとき、(事業に)使える材料についての知識がなければ、使いこなせないでしょう。これには、材料の工夫も含まれます。この時、参考にすべき基礎知識が未来予測に関するデータなのです。

 一方、イノベーション人材のアイデアを評価する側も訓練が必要です。優れたアイデアや事業企画も評価できなければ、いくら沢山のアイデアを出しても無駄になってしまいます。既存の事業で成功した上級職の方々のなかには、それまでの経験で得られた方程式を当てはめて、評価を下す方も少なくありません。

 結果として、玉石とも捨てられ、権威者や多数決が評価したアイデアに落ち着いてしまうことになるか、良いアイデアが出ないと嘆くことになります。また、アイデアを評価するのではなく、誰が考えたかという人材の評価でアイデアの評価を下すことになります。
 つまり、イノベーションの推進の決定権を持つ評価者の未来に関するリテラシーも、企業にとっては重要なのです。

 イノベーションを起こすための技術には、定型化された教科書はありません。しかし、「思い付き」や「感覚」だけに頼る時代も過ぎています。企業のイノベーション競争は激しくなり、「イノベーション」を冠する名称の組織を発足させる企業も増加しています。イノベーションの手法も様々に考案されていますが、ほとんどが発想法や推進の枠組みにとどまっています。

 こうしたなかで、現在、確実に言えることのひとつは、未来の需要に関する基礎的なリテラシーを高めることが重要であり、リテラシーの形成には、従来のデータの読み方とは違った認識が必要だということです。
 未来の需要に関するリテラシーを高めるには、様々な知識を必要としますが、その知識は、過去のほぼ確定した知識とは異なったものです。これについては、次回のコラムで説明します。


(続く)

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