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2019年7月4日
未来洞察と新事業開発 その4 想定外の変化をどう予測するのか
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代表取締役 清水 克彦
2019年7月4日
未来洞察と新事業開発 その4 想定外の変化をどう予測するのか(1/2)
未来予測では、想定外の変化は予測できないと言われています。東京創研は、想定外の(といわれている)変化の予測にチャレンジすることこそ未来予測のビジネス応用の重要なテーマであると考えています。想定外の変化の予測を確度高く行うことは、ブルーオーシャンのビッグチャンスを掴むことであるし、そもそも、現状分析では、捉えられない大きな変化を捉えるのが未来予測の使命でもあると言えます(未来予測では、本来、想定外の変化をパラダイムの変化と呼んでいますが、ここでは、昨今一般的な呼称となっている「想定外」というワードを使っています)。
■想定外の変化とは
想定外の変化は、捉えられないという話は、どこから出てきたのでしょうか?想定外なのだから想定できないといわれてしまえば、それまでですが、想定と言われているのは、どのような想定でしょうか。
未来予測の手法は、定式化されて数値で表せる線形の予測と、定式化されていない非線形の予測とがあります。前者は、数式を中心としているので確度が高いと考えられています。
後者は、人間が行う予測を積み上げたもので、確度が低いとされています。後者の確度が低くなる理由は、未来の人々の選択や価値観が想定できないことにあります。未来の価値観の洞察は、マクロデータや技術進歩の予測に基づいて行われますが、洞察者は、現在の価値観で洞察します。価値観そのものが変化することは、想定しにくいのです。
■専門家の洞察に欠けているのは
一方、各分野の専門家と言われる方々は、限られた専門分野領域の洞察には優れた能力を発揮します。その領域の技術の進展(技術的な実現性)や業界の課題については、極めてよく知悉しています。しかし、社会全体の変化からもたらされるインパクトについては、軽視しがちです。この結果、起こるのが想定外の変化です。
それぞれの専門家は専門領域の変化を精緻に積み上げていますが、専門外となる社会全体のダイナミックな変化が当該領域に何をもたらすのかについての影響を軽視しがちです。なぜなら、社会全体の変化は、人間の選択の領域を含んでいて精緻ではない変化データしかないからです。専門家が積み上げてきたデータやロジックに比べれば、検討に値しない動きに見えます。データが充分でない因子は評価できないのです。先に説明したように、新しい場で起こる変化は過去データの積み上げでは証明できません。
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