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2019年6月6日
未来洞察と新事業開発 その2 
   未来洞察の二つの側面と新事業開発の枠組み

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 代表取締役 清水 克彦
 2019年6月6日
 未来洞察と新事業開発 その2 
   未来洞察の二つの側面と新事業開発の枠組み
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■予測年の設定

 未来予測・未来洞察を新事業開発に結び付けるうえで重要な枠組みがいくつかあります。これを曖昧にしておくと、議論や評価が混乱します。まず、予測年です。新事業開発では、成果をだすのはいつか?という問題です。東京創研では10年をめどにしていますが、理由のひとつは、10年を超えると使える根拠が急激に乏しくなるためです。因みに10年を超える予測の受託も増加していますが、その場合、使える論理が少なくなるので枠組みが変わってきます。

■洞察者のポジション

 次に、重要なのは、どのポジションで未来洞察を使おうとしているのか、です。未来予測は、未来社会全体の動きを予測しています。これに対して、未来洞察には目的があります。政策立案に繋げたい。新事業を創り出したい。会社の未来戦略を創りたい。技術開発のテーマを見つけたいなどです。さらに、洞察者(使おうとする人)は、それぞれのポジション(会社なら業界や保有シーズなど)があります。つまり、未来予測に対して、洞察者の視点からの考察が必要になります。これは、洞察者にとっての重要度ということになります。現在社会をマーケティングする場合でも、それぞれの立場から、何が影響するかの検討に入るのと同じことです。未来予測は、マクロな動向中心なので、それぞれのポジションへの影響は、自分で考える必要があるのです。

■マクロからミクロへの落とし込み

 3つめに重要なのは、マクロからミクロに落とし込む過程を説明する必要があることです。確度の高い予測の多くがマクロデータですが、新事業(アイデア)は、そこから導かれるマクロトレンドの影響を受けます。影響の受け方は、様々です。大きく受けるものから、ほとんど影響を受けないものまであります。一方、ミクロに落とし込んでいくと、個別の市場特性や業界特性の影響を受けます。新事業はイノベーションを起そうとするので、これらを打破していく面もあるのですが、乗り越えられない本質的な部分も残ります。この他にも、ゴールはビジョンレベルなのか、具体的なビジネスプランなのか、ビジネス構造をつくるのか、新製品をつくるのかなどでも洞察の進め方は違ってきます。

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